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■プロフェッショナル・エンジニア(PE)の資格とは

 PEの資格は、「エンジニアは建築物に対する公共の安全・人命尊重・社会の福祉に奉仕すべき」という考え方に基づいて、1907年にアメリカのワイオミング州で創設され、その後全米各州に広まった公的な資格です。現在では全米50州はもとより、ワシントンDCやグアムなど5地区・テリトリーでも導入されています。
PEの登録は各州の法律に基づいてなされており、受験資格や登録条件は州によって微妙に異なりますが、試験については、全ての州でNCEES(全米工学測量学試験委員会)が作成した問題が採用されており、ほぼ同じ内容のものが出題されています。
現在、アメリカでこのPEの資格を取得しているエンジニアは約40万人で、資格所有者にはその分野の業務独占権(専管事項)が与えられていることから、医師、弁護士、公認会計士と並ぶ4大公的ライセンスの一つとして社会的に評価されている資格となっています。日本では、エンジニア分野で業務独占権を持っている社会的評価の高い資格は一級建築士など一部の分野に限られていますが、米国では土木、化学、電気、機械など幅広い工学分野で認められています。
 また、PEの資格取得者は技術的な能力だけでなく、倫理観と責任感も強い人物であると評価されることから、社会的なステータスも高く、一般に高収入が保証されています。

■PEを取得するためには

 PEの資格を取得するためには、まず、PEの1次試験あたるFE(工学基礎)試験に合格しなければなりません。州によっては、一定年数の社会実務経験があれば、FE試験を受けなくてもPEの受験資格を取得することもできますが、米国の4年生大学の工学部学生は在学中もしくは卒業直後にFE試験を受験するのが一般的です。FE試験に合格し、かつ4年前後(年数も州によって微妙に異なります)の実務を経験するとPEの受験資格が与えられます。
FE試験またはPE試験を受験しようという方は、日本でも受験することができます。米国同様、春と秋の年2回、東京で実施されています。以前は、オレゴン州が試験を実施していましたが、現在はNCEESが行っています。
FE試験もPE試験も、出題はすべて英語ですから、PE資格を取得するためには工学分野における基本的な英語表現をマスターしなければなりません。受験にはTOEICで450〜550点以上の英語力が必要と推定されていますが、同時に工学分野(数学、力学、化学、電気、工学経済、エンジニアリング倫理など)のすべての基礎知識を習得していなくてはなりません。
FE試験はその基礎的知識をチェックするための試験で、午前4時間、午後4時間の合計8時間かけて行われます。出題数は午前が120問、午後が60問です。いずれも4つの回答の中から正解の一つを選択するマークシート形式で出題されます。
FE試験に合格し、規定の実務経験を経ると、PE試験の受験資格が得られますが、PE試験は土木、機械、電気、化学、環境などの専門分野の一つを選んで受験することになります。
グローバル化つまりアメリカン・スタンダードの国際化が進む現状では、個々の技術者の選択としてPEの資格を取得することは、世界の最も広範囲な地域で活躍できる国際的エンジニアへの最短コースにあると言えます。貴方の名刺にP.E.と表記されているだけで、社会的に高い倫理感と責任感を持ったエンジニアであると相手から認識される訳です。

■今年のFE/PE試験は?

 今年のFE/PE試験の日程は次の通りです。
    春の試験  2008年4月13日(日)
    秋の試験  2008年10月26日(日)
 春の試験の受験申し込みはすでに終了しており、秋の試験は7月31日が締め切りの予定です。受験の申し込みは「特定非営利活動法人 日本PE・FE試験協議会(http://www.jpec2002.org)が窓口となっています。
 受験参考書はピーイー・エデュケーション株式会社が取り扱っており、参考書の概要は同社のホームページ
 http://www.pe-edu.com に詳しく掲載されています。

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